やさいたっぷり幕の内
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時間があれば作品巡りだけでなく、豊島そのものも観光したかったのですが、時間がない、足がない、雨、の三重苦で、甲生の4作品も見逃したし、1日で豊島一島すらまわれないのが現実でした。ちょっとガッカリでしたが、島には島の時間の流れ方があって、島のペースに、体や心が適応できてなかった気がします。思い起こせば初めて沖縄にひとり旅したときも、初日は沖縄時間になじめなくて、イライラしたり、凹んだり。でもだんだん島のペースに慣れて、滞在時間が長くなるほど楽しくなったものです。今回も、もう1〜2日あればなあ。
ところで、作品以外もできるだけキョロキョロして、気に入った豊島の景色をカメラにおさめてきました。創り出したアートだけでなく、日々の暮らしの中にも、いくらでもアートシーンって、あるものですね。
2010年の芸術祭は終わりましたが、将来プロジェクトは進行中のようですし、恒久展示の作品もあるので、今後も「勝手にひとり瀬戸内芸術祭」は続行! 久しぶりに直島も行きたいし、犬島も見たいし、香川県の島々も興味あるし。
東京からの転校生として岡山に住んでいた思春期の頃は、穏やかな瀬戸内海が大嫌いで、「うわ〜〜〜〜〜」と叫びたい気分でしたが、40を過ぎた今では、とても好きな景色です。しょっぱい懐かしさを胸に、また瀬戸内を旅したいと思います。

唐櫃岡から見た唐櫃港。あちこちでセイタカアワダチソウが満開。過疎化が進み、畑や田んぼが放置されているのか。


畑の脇のイチジクの木の前に、古い緑の車。肥料を入れたり、物置代わりに使っている様子。こういう何気ない景色にグッとくる。

産廃の島として全国区になったが、棚田でお米をつくり、海で魚を獲る、半農半漁が本来の豊島の暮らし。その名の通り「豊かな島」なのだ。
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電車があるうちに埼玉まで戻るには、16:40家浦港発のフェリーに乗らねばならず、だんだん時間がなくなってきました。唐櫃浜、唐櫃岡を見終わって、残るは家浦と甲生。両方見たいけど、港と反対側の甲生に寄ったら、フェリーに乗り遅れそう。甲生は断念して、森万里子作品の「トムナフーリ」を経由して家浦に行き、豊島の旅を終えることにしました。
ここでまた悲劇。雨のため「トムナフーリ」は中止ですと。バス停から作品まで10分くらい山道を歩くそうで、道がすべりやすく危険とのこと。作品とスーパーカミオカンデがコンピュータでつながっていて、超新星が爆発すると作品が光るという、壮大なロマンあふれる作品なので楽しみにしていましたが、仕方がありません。恒久展示なので、次回の宿題にしましょう。
バスで家浦港に行き、徒歩で横尾忠則作品へ。かなり・・・歩きました。途中疲れ果てて地元の民家レストランに飛び込み、ランチは終わっていましたが、特別メニューを出してもらって、遅めの昼食にありつきました。ご主人が釣った魚のおさしみ、美味でした。
横尾作品は、個人的にはちょっと感性が合わない・・・。金赤の和風庭園にはビックリ。さすが横尾さん・・・。若いカップルが「カッコイイ」連発で作品の前で写真撮りまくってましたが、撮影禁止では・・・。
木下晋の「101歳の沈黙/100歳の手ほか」では、106歳で亡くなった盲目の女性旅芸人・小林ハルさんをモデルにした絵を展示。ハルさんの壮絶人生に驚愕。
最後の悲劇は、トビアス・レーベルガーの作品兼レストラン。どうせここも入れないだろうとハナからあきらめてましたが、入れたみたい・・・。しかし、遅めの昼食食べたばかりで、時間もないので、残念ながらスルー。うーむ。どうもかみ合いません。

古民家を改装したトビアス・レーベルガーのレストラン。味はわかりませんが、入ってみたかった。恒久展示だそうですが、レストランも続行?
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朝食、昼食、喰いっぱぐれましたが、唐櫃岡には作品が集まっているので、雨の中徒歩で作品巡り続行。
安倍良の「島キッチン」でも食事ができるので、「今度こそごはん〜〜〜」とたどりついたら、またもや整理券の壁にはばまれました。午前で受付終了ですと。二度あることは三度。もう、いいです(ヤケ)。
「島キッチン」はスルーして、藤浩志の「こんにちは藤島八十郎」へ。八十郎さんという、ちょっと変わり者の架空のおじさん(おじいさん?)の暮らしをアートにしたもので、こういう家、実際ありそう。人懐っこいニャンコが相手してくれて、空腹と疲れが癒されました。
ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラーの「ストーム・ハウス」はとても気に入りました。古い民家で嵐が体験できます。島の暮らしに憧れて移住しても、現実はいいことばかりではなく、停電した真っ暗の古い家で、雷と豪雨におびえる夜もあるのだよなあと、考えさせられました。
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そろそろ2時間経ったので、再びバスに乗って、美術館前で下車。今度は整理券があるからスイスイ〜のはずが、待つわ、待つわ。瀬戸内国際芸術祭、忍耐力が試されます。入場券の整理番号が000706だったので、おそらく17日の開館以来、706番目の入場者ってことでしょう。
今をときめくSANAAの建築家・西沢立衛さんと、アーティストの内藤礼さんのコラボで誕生した豊島美術館は、外から見ると、不時着したUFOのよう。入口で靴を脱ぎ、館内に入ると、天井の大きな穴から空や山が見え(直島のベネッセハウスのオーバルを思わせます)、床から湧き出した水滴が、月明かりに導かれて大海原を目指すウミガメの子どものように、一つ、また一つと、大きな水たまりに向かって不規則に流れていきます。人工なのに包み込むような大自然のやさしさと、母親の胎内のような安心感があって、もっと人が少なくて、もっと時間があれば、いつまでもたたずんでいたい、気持ちのよい空間でした。待ったかいがありました。
しかーし。このあと再び悲劇が。朝食抜きで楽しみにしていた美術館のカフェの新米おにぎり、午後イチですでに売り切れ。見事に喰いっぱぐれました(号泣)。ほかにお腹にたまる食べ物がなかったので、半ばヤケ気味でお米のシャンパンと豊島産のオリーブを注文。空きっ腹にアルコールが効きました。くら〜。
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そろそろ人の波が引いたかなと美術館に向かいましたが、悲劇が・・・。あまりの混雑に整理券が発動されていて、入館できるのは2時間後という不測の事態発生。ひゃー。人波に逆流する天の邪鬼な習性が災いした!?
ショックでしたが仕方がないので、また唐櫃港に戻り、唐櫃浜の作品を先に観賞することにしました。坂道をトボトボ下っていたら雨がポツポツ降ってきて、雲行きも怪しい。そんな傷心の私を通りがかった巡回バスが拾ってくれて涙。
気を取り直して、唐櫃浜のオラファー・エリアソン「ビューティー」、大阪芸術大学豊島アートラボ「ノリとたゆたう」、クリスチャン・ボルタンスキー「心臓音のアーカイブ」の3作品を観賞。
観賞料が有料と無料の作品があり、複数の島を巡る人は、会期中有効の5000円のパスポートを買ったほうが断然お得。99%の人が首からパスポートをぶら下げていましたが、私のような1島のみ1日だとビミョー。1日で5000円の元は取れないと判断して、逐一料金を払うことにしました。個別観賞券は1作品につき300〜500円が相場で、京都の寺社仏閣めぐりのように、ちょっとお金がかかります。
島巡りの足として、循環バスより効率のよいレンタル電動自転車が人気でしたが、次第に雨が本降りになってきて、自転車を借りた人はお気の毒な様子でした。

オラファー・エリアソン「ビューティー」。真っ暗な蔵の中で見る霧のアート。


「ノリとたゆたう」。凹凸のあるハンモックのような巨大なシートの上に寝転んで、ノリの気分を味わう。
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